2003年12月28日  降誕後第1主日 (C年)


司祭 エリシャ 富田正通

変身願望

 私たちは、変身願望を持っているようですね。何かを変えたい、何かが変わって欲しい。そんな事をときどき考えます。
 日本中も、豊かになりたいと努力しました。豊かになれば、何かがある。幸せになれるだろう。そんな夢を追いかけました。グルメを満喫し、自分の車を持って、テレビも一人1台。けれど、物質文明で幸せをつかんだ人はごく僅かのようです。けれど、ジャンボ宝くじが発売されると、1億円あれば、夢が実現すると大人気です。
 私は、この歳になると体の変調をあちこちに感じるようになりました。右ひざの内側に鈍痛があって、足を十分伸ばせず、階段から転げ落ちそうになりました。以前のように階段なんか走るように降りられるようになりたい。以前の若さを取り戻したい。そんなことを夢見るのは私だけではないと思います。
 時に空想の世界を漫遊すると、ジャイアンツのあまりに不甲斐ない試合なんかの時、誰かが長嶋に変身して、カチンとホームランをかっ飛ばして・・・と思うものの、現実は決定打が出ずに、残塁の山。空想だけではどうしようもないとストレスが溜まってしまいます。
 けれど、人間が、あたかも毛虫が蝶に変身するように、素晴らしく美しいものに変身し、幸せに暮らせるようになるという事があります。嘘のような話ですが、本気で信じて、その時を待っている人が世界中に数え切れないほどたくさんいるのです。
 12月25日はイエス様の誕生をお祝いする日ですが、実は、隠れた意味がありまして、イエス様を自分の救い主だと信じる人が大変身をして、天国に行く日なのです。ただ、それが、いつのクリスマスか分からないので、それを待っているのです。ひょっとすると今年かも知れません。
 ご一緒しませんか。



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