オオアマナ(鳩の糞、dove's dung、イスラエルの星)


 旧約聖書の列王記下6章26節に「サマリヤは大飢饉に見舞われていたが、それに包囲が加わって、ろばの頭一つが80シュケル、鳩の糞4分の1カブが5シュケルで売られるようになった。」とあります。

 この年代は紀元前9世紀アラム(シリヤ)の王ベン・ハダト2世がサマリヤを包囲してイスラエル王アハブに圧力をかけた時のことでした。

 このように鳩の糞はイスラエル人が食料に困窮したときサマリヤの市場で売られていたのです。

 この鳩の糞を人々が実際に食べたという伝承がありますが、アラビヤ(アラブ)人は草花のオオアマナを「鳩の糞」と呼んでいたことも無視できません。

 その球根は貧しい人々が生で食べると中毒を起こすため、煮たり焼いたりして食料としていました。

 このことと関連させると聖書にある「鳩の糞」とはこの草花「オオアマナ」であったとも考えられます。

 なぜ、この草花が「鳩の糞」と言われたのでしょうか。

 それはパレスチナの丘陵や岩石の間に白い6弁の花をつけて、あたり一面に咲き乱れ、さながら鳩の糞で被われているかのようだからです。

 なお、この草花は私たちの教会の庭に群生し、3月、4月に一斉に咲き乱れます。

 私たちはこの草花を「イスラエルの星」と言う別名で呼んだり、「花ニラ」とも言っています。

 これはおそらく、その昔、信徒のある方がご自分の庭から移植してくださったものと考えられます。

 上記の旧約聖書の箇所を呼んでこの草花にまつわる古代イスラエルの歴史を学んでみましょう。

野々目 晃三 (参考:新共同訳「聖書辞典」)


前司祭 野々目先生から原稿を頂くとき、「うちのはオオアマナとは違うようだ」とおっしゃられましたが、面白いのでそのまま掲載しました。この文を見られた東京在住のクリスチャン松村 良様からオオアマナについての解説と本当のオオアマナの美しい写真の付いたメールを頂きました。ご許可を得て全文と写真を掲載します。松村様有難うございました。

    
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