礼拝諸式
聖餐式
2063  すべての神の民を
Thou, who at thy first Eucharist didst pray
William Harry Turton (1856-1938)
SONG 1
Orlando Gibbons (1583-1625)
(訳詩 森 紀旦、訳詩協力 植松 誠、山野繁子)
 主は逮捕前夜、弟子たちとの最後の晩餐の後、天を仰いで「すべての人を一つにしてください」[ヨハネ17:21] と祈られました。わたしたちの今ささげる聖餐式も、この主の祈願に支えられています。
 『古今』235番と同じ詩から、その強調点を「一致のサクラメント(sacrament of unity)」である聖餐に置いて、全面的に訳し直しました。
 1節は、最初のユーカリスト (聖餐式)で、すべての人を永遠に一つにと祈られた主を賛美して、聖餐によってその祈りが成就するように祈っています。
 2節は、分裂の痛み、特に教派的な分離を前提とし、割かれた主の体をいただく聖餐式によって、すべての神の民が再一致することを願う、エキュメニカルな視点が歌われます。
 そして3節は、聖餐の宇宙的な広がりによって、父と子と聖霊の一致・交わりのように、わたしたちも聖餐を通して、神と一つになることを祈っています。
 作詩のウイリアム・タートンは、英国の軍人(士官)として南アフリカ戦争に従軍し(1900-02年)、退役後は著作活動に専念しました。自らの戦争体験の中から、主による平和実現の祈りへと駆り立てられてこの詩が作られたのでしょう。
 曲は『古今』400番で知られた、ギボンズ(2003参照)のSONG1です。
 聖餐式の入堂聖歌にふさわしい、堂々とした曲です。また、復活節第7主日・昇天後主日(C年)の福音書に対応しています。
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