祝日
使徒の祝日
2056  われらほめうたう
Aeterna Christi munera
Ambrose of Milan (340-397)
GONFALON ROYAL
Percy Carter Buck (1871-1947)
(訳詩 森 紀旦、訳詩協力 菊地伸二)
 使徒の祝日のためのこの聖歌は、『古今』151番にある「使徒の聖日」よりも、詩は古く、4世紀のミラノの主教アンブロシウスの手によるものとされています。アンブロシウスは、西方教会の典礼と聖歌を革新し、キリスト教賛歌の父とも呼ばれている人物です。
 使徒から受け継いできた(使徒継承の)教会のわざは、王なるキリストの永遠の賜物です。わたしたちの感謝と賛美の源はそこにあります。そして、使徒たちは信仰と希望と愛の生涯によって、永遠のみ国に至り、今の世とすべての人を照らす光として、神の栄光を映しています。
 『古今』151番が、使徒たちの人となりに思いを馳せることのできる歌であるのに対して、ここに収められた聖歌は、使徒職の権威、使徒を通してあらわされた神の栄光を讃えている点で、教会史的な広がりを持つ重要な歌となっています。
 作曲のパーシー・バックは、英国ウェールズ、ブリストル大聖堂のオーガニストを歴任し、またダブリンやロンドンの大学で音楽教授を務めました。“English Psalter, 1925”“Oxford Song Book, 1931”などの編集にも携わりました。この曲は多様な詩との組み合わせで、多くの聖歌集に収められています。力強い和声と、何度でも繰り返し歌える終止しない旋律が、詩のメッセージを的確に生かしています。継続する賛美は、「ハレルヤ」のフレーズによって区切りをつけて、終止します。8分音符を急がずに、落ち着いて堂々と歌い上げたい聖歌です。
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