日々の礼拝
朝の礼拝
2006  来る朝ごとに
New every morning is the love
John Keble (1792-1866)
DIX
Conrad Kocher (1786-1872)
 『古今』176番の改訂訳です。
 朝の礼拝の歌として、多くの教会で親しまれてきたこの歌には、「来る朝ごとに」という印象的な各節の歌い出しにより、続く内容を素直に味わいながら歌える、優れた訳詩が伝えられてきました。『試用版』では、その詩を極力損なわずに手を入れ、より今日の礼拝でふさわしく用いられるように改訂しました。
 特に2節で、「罪のゆるし」という教会のわざを恵みとして受けとめ、その幸いを日々新たに示していくという、教会の福音宣教の姿勢を強調しています。
 作詩のジョン・キーブルは、英国聖公会の司祭で、1827年には教会暦に対応した詩集“Christian Year ”を出版して好評を博し、詩学の教授として母校オクスフォード大学に招聘されました。そこで彼は後に「オクスフォード運動」と呼ばれる礼拝改革運動の先駆者ともなります。この運動は、宗教改革以前のカトリック教会の礼拝の理想を目標としたもので、それにより礼拝式文や聖歌などについての関心も高められ、その後約30年にわたって、イギリスの宗教界に大きな影響を与え続けました。キーブルの作品は、他に2011「わが魂の光」が『試用版』に収録されています。
 作曲のコンラート・コッヒャーは、モーツァルトやハイドン、またパレストリーナの作品に感化され、各地で音楽を学び、シュトゥットガルトの教会でオーガニスト、聖歌隊長を務めました。コラール集“Zionsharfe, 1855 ”の出版や、オラトリオ“Der Tod Abels ”、幾つかのオペラ、ソナタを残しています。
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