戦争案内
高岩仁(著)

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書籍データ 92 p、サイズ(cm):220 x 138
      映像文化協会、2000/12


目次

明治維新からアジア太平洋戦争まで
アジア太平洋戦争 この戦争を必要としていたのは誰か
再びアジアを植民地化
殴る側の大国となった日本


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2006年7月9日投稿
レビュアー:ゴルゴ 30

 戦争の悲惨さを描いた本はたくさんありますが、これは戦争の原因を書いた数少ない書籍の一つです。戦争を必要としたのは誰か。
 社会科教員と小学校の先生に最適。授業のよい種本になります。具体的な資料と監督の体験が載っているので説得力がある。
 内容のほんの一部を紹介しましょう。日清(侵略)戦争のための軍備増強には増税が必要であった。ところが時の首相 山県有朋は増税案を国会で否決されてしまった。そこで反対派議員に多額の金を与えて買収しました。その資金を提供したのは明治天 皇です。当時のお金で98万円。都心に家一軒が千円で買えた時代です。今の額にすれば100億円以上でしょう。
 なぜ天 皇はこんな大金を出したのか。臣民のためを思ってか。歴史は明らかです。戦争に勝った日本は清国から賠償金2億両(テール)・3億5000万円を取ります。このうちの2000万円を天 皇がもらいました。98万の出資で2000万!
 まだある。勝った日本は台湾を植民地にしますが、台湾の最大産業である製糖を三井物産が独占的に経営します。そして天 皇は台湾製糖業の第2位の株主になりました。株の配当は10年後に12%、20年後には100%になっています。
 日清戦争で大陸の人も日本人も多くの人々が犠牲になった。また台湾の人は植民地にされ、すべての産業を支配され、資源を奪われ、自由を拘束された。
 戦争は正義のためにするのでは決してない。支配者と資本家が儲けるためにするのです。他人の命を犠牲にしてまで。 国民を守るためではない。
 日露戦争後に今度は朝鮮を植民地にしました。植民地支配の動脈であった京釜鉄道の株主第1位は明治天皇で5000株。朝鮮皇 室が2位で2000株。3位以下は三井・三菱・第一銀行(渋沢栄一)などが1000株。さらにその下に住友・明治生命・安田銀行、足尾銅山の古河市兵衛などが続いている。
 天 皇が保有していた株は他にもたくさんあります。侵略戦争に関わっている企業や、戦争の結果獲得した植民地支配関連企業のがそのほとんどです。日本銀行はじめ他の銀行、運輸業、帝国ホテル。電気、ガス。つまり日本が侵略戦争をして植民地を増やせば天 皇は巨大な利益を着実に得る仕組みになっていた。
 幕末の天 皇家は豆腐屋の支払いにも困っていたのに、明治になってから雪だるま式に資産を増やし、1945年の降伏時には当時のお金で660億円にもなっていた。どれだけの人間がその犠牲になったか。