今、誰が何のために戦争を必要としているのか
なごや自由学校2001年度春季講座「誰のための戦争」第2回レジュメ
2001.07.20. 渡辺治
1 小泉政権の「画期的」性格
46年ぶりの憲法改正発言
なぜ集団的自衛権発言?
なぜ靖国神社への参拝なのか?
「聖域なき構造改革」とは?
改革急進派政権としての小泉政権
2 今なぜ、軍事大国化が?
一80年代中葉からの日本資本のグローバル化
(1)遅れていた日本企業の海外展開
軍事大国化の動員としての日本企業のグロー.バル化
日本企業は内弁慶だった
日本企業の競争力の秘密企業 企業支配と下請け、自民党政治(資料)
85年あたりを境とする日本企業の海外展開(資料)
(2)なぜ大企業は軍事大国化を望むようになったか?
日本企業の多国籍化の特徴 アジアヘの進出の比重(資料)
(1) 日本企業の活動の自由の確保と安全
(2) 日本企業が途上国でえている特権の維持
(3)冷戦終焉以後のアメリカの世界戦略と軍事化への圧力
(a)冷戦後の世界秩序の変貌と米国の2つの課題
(1)市場秩序の拡大と安定化 地域的覇権の阻止、地域紛争の抑止
湾岸戦争、ソマリア、ユ一ゴ、朝鮮、台湾
(2)資本のグローバリゼーションに適合的な市場秩序の均一化
市場の自由化と安定
(b)軍事的覇権の維持とアメリカ経済の地盤沈下
多国籍企業化によるアメリカ社会の衰退
冷戦終焉と軍事的覇権の正当化の困難
(C)アメリカの対日、NATOへの要求
3 軍事大国化の新たな形態一戦前型の軍国主義の復活はない
(1)なぜ戦前型の復古的軍事大国はないのか?
@やりたくても出来ない
国民の平和運動と国民意識
アジア諸国民の警戒−従軍慰安婦問題、強制連行への政府補償
レナート・コンスタンティーノ「第二の侵略」
Aやる必要はない
戦前のように植民地支配や勢力圏で排他的に市場を囲い込んでもらう必要はない
(2)軍事大国化の新たな形態
@軍事大国化を正当化するイデオロギーの新しさ−国際貢献論
大国ナショナリズムを使わない
A憲法改悪をしない大国化の追求−改憲消極論
改憲に消極的だったアメリカ・日本の政府
ジョセフ・ナイ「パンドラの箱」
B国連から日米軍事同盟へ−新ガイドライン路線への転換
国連安保理の変質とアメリカの期待
国連への幻滅から軍事同盟再編構想へ
4 軍事大国化の第二段階と改憲−いまなぜ改憲か?
(1)軍事大国化の新たな段階と改憲の必要性
@軍事大国化の新段階へ
アメリカの要求のエスカレート−アーミテージ報告
「自前の」軍事大国の要求
Aどうしても不可避となった改憲
自衛隊の武力出動の自由化と戦争参加体制
B憲法のどこを変えたいのか?
9条改正の新しい特徴−自衛隊の海外出動態勢と武力行使の自由の正当化
国際貢献論による正当化
(2)ナショナリズムの涵養とその矛盾
(a)国民意識を変える必要とその矛盾
日の丸・君が代法制化はなぜ強行された?
なぜ今靖国公式参拝
なぜ今「新しい歴史教科書をつくる会」−ナショナリズムの三つの困難
@ナショナリズムの涵養と天皇制
A日本帝国主義をどこまで正当化するのか?
Bナショナリズムと日米同盟
(b)企業社会の安定の崩壊とナショナリズム
安定社会の崩壊−少年犯罪、児童虐待、ドメスティックバイオレンス
企業社会崩壊の原因−グローバル化と新自由主義改革
むすびにかえて−再び殴る側の国に
(a)「普通」でない国だった日本
再び殴る側の大国へ−問われる平和運動
(b)現代の戦争の新しい性格
@現代の戦争の非防衛的性格
A現代の戦争の同盟的性格
B現代の戦争の非総力戦的性格
(c)軍事大国に代わる新しい福祉と平和国家像の構想
@多国籍企業の規制と他国の経済を破壊しない国
A日本の国民経済を再建する方策
B世界平和へのイニシアティブ
国連での核兵器禁止
武器輸出入の規制