愛知聖ルカ教会/愛知聖ルカセンターについて
愛知聖ルカ教会は、英国教会の系列のキリスト教の教派である日本聖公会に属する教会で、愛知聖ルカセンターはその活動センターです。
ローマのベネディクト会修道院長であったオーガスティン(Augustinus Cantuariensis)が597年に英国カンタベリーに到着し、初代カンタベリー大主教になったのが聖公会のルーツです。多くの西ヨーロッパの教会がそうであったように、イギリスの教会もその後約1,000 年にわたりローマ・カトリック教会の一部でした。しかし、16 世紀、英国においても独自の宗教改革を行い、ローマ教皇から独立して英国国教会が成立しました。その後、国教会としての枠組みを超え、聖公会(The Anglican Communion) として、現在では約160カ国に広がり、およそ8,000万人の信徒を有しています。
聖公会は、ローマから独立して聖書を信仰の柱とするプロテスタントとしての性格を持つ一方で、聖餐式(ミサ)を中心とする典礼などを行い、世界に広がる普遍的なカトリックとしての伝統も重んじており、カトリックとプロテスタントの間に立って真理を求めて歩み続けるその姿勢から、「橋渡しの教会(bridge church)」とも言われています。また、英国国教会が全住民のための教会として、その責任を担ってきたことから、世界の聖公会の教会でも、教育や福祉などの社会的な働きに積極的に取り組む伝統が息づいています。
カンタベリー大聖堂(イギリス)
日本の聖公会は、1846年、バーナード・ジャン・ベッテルハイムが沖縄に上陸して宣教と医療活動を行い、また聖書を琉球語に翻訳して配布したのがその始まりです。1859(安政6)年、米国聖公会のチャニング・ムーア・ウイリアムズ主教とジョン・リギンズ司祭が長崎で宣教を開始し、それ以降、米国・英国やカナダの伝道団体が宣教を進め、1887(明治20)年に日本聖公会が組織として成立しました。現在では、全国に11教区、300を超える教会を有しています。また、教育・医療・福祉などの社会的事業にも積極的に取り組み、教育機関としては立教大学・桃山学院大学・平安女学院・名古屋柳城短期大学などの学校、幼稚園を創設、医療ではハンセン病患者の救済、聖路加国際病院・新生病院などを創り、福祉事業として日本で最初の知的障害児施設である滝乃川学園、児童養護施設の博愛社や、保育所など多くの施設をもって活動しています。
立教大学チャペルの前に立つウイリアムズ主教の銅像
愛知聖ルカ教会・愛知聖ルカセンターは、日本聖公会中部教区(主教座=本部:名古屋聖マタイ教会)が、1988年に光が丘で集会を行ったことがその始まりです。その後1990年、尾張旭市のビルの一室を借り、南山短期大学人間関係科(現:人文学部心理人間学科)を創設したリチャード・アレン・メリット司祭を初代牧師に迎えて本格的な活動が開始されました。1995年には現在地の建物が完成し、愛知聖ルカ教会としてその歩みを始め、同時にキリスト教主義の活動センターとしての愛知聖ルカセンターが発足し、日曜日の礼拝を柱に、国際子ども学校(外国人学校)や英会話クラス、環境プログラムなどを行い、地域社会の課題をともに担い、愛の働きの為に尽くす教会になればと願って活動を続けています。
なお、「聖公会」とは「聖なる(Holy)公同の(Catholic)教会(Church)」を表現しています。漢字を用いる国々で用いられる名称です。
地域に開かれたセンターとして
人々と出会い、その関心・ニーズを分かち合い
互いに学び、共にプログラムを創り
啓発しあえる場を創り出します。
そして
いのちあるすべてのもの
ことに、
いと小さくされたものを尊敬し
地球環境の保全と、世界平和の実現に貢献することを
めざしています。
R.A.メリット
メリット司祭(愛知聖ルカ教会初代牧師)